フォークランドで出会った旅人(3)
カテゴリー: My Falklands, Weblog, フォークランドで出会った人々
前回に引き続き、その後の私の旅への考え方やスタイルに、大きな影響を与えたベルギー青年の話。
対岸から見たスタンレーの町。
8年前に訪れた時より、ずっと大きな町になりました。
初対面から不思議と好感を覚えたこのM青年。
その後起きた2つの事件を通じて、好感度は最高潮に高まるのですが、世界を歩き出して早25年になりますが、ホントに彼ほど魅力的な旅人に会ったのは後にも先にもありません。
2つの事件・・・
まず1つ目は、私も彼も、それぞれに別々の目的地を回って、再びスタンレーのB&Bで再会した夜に起きました。
夕食の席で、お互いの旅の話の交換をぼちぼち始めた頃でした。
突然旅行代理店の職員が、この宿の女主人ケイのところにやってきたのです。
私の顔見知りでもあったので、私も挨拶をし話に加わりました。
「実はね・・・南極クルーズ船で急病人が出て、急遽スタンレーの病院に連れて来られたの。ドクターの話では、このままクルーズで旅を続けるのは無理ということで、2日後にここからチリへのフライトに乗ってもらって、サンティアゴ(チリの首都)の病院に入院させることになったわ。」と旅行代理店のS。
「ほ~、それは大変だあ・・・」
この時点では全く他人事の私でした。
S:「で、その急病人には病院に入ってもらったんだけど、連れである彼の奥さんの宿を確保しなくてはならなくなって・・・でも生憎どこもいっぱいなのよ・・・ケイ何とかならない?」
「何とかならないと言ってもねえ・・・うちは2部屋しかないし、この子たち(私とM青年)でいっぱいだしねえ・・・」
すると、ここでM青年。
「僕がリビングのソファーで寝ます。僕の部屋を彼女に使わせてあげてください。」
ケイ:「あら?ホントにいいの?じゃあそうしてもらって、その奥様をここに入れましょうか。だんな様がそんなことになって気の毒ですものね。」
ということで話がまとまりました。
夕食の話題は旅の報告ではなくなって、そのお気の毒な夫婦の話に変わり、ケイも話に加わりました。
「一生に一度あるかないかの南極の旅で、そんなことになってお気の毒としか言いようがないわよね」
「ホントに・・・奥さん相当気落ちされてるでしょうね・・・」
「ケイ、食事が終わったら、私も部屋の掃除やベッドメーキングとか手伝うわよ」
「そうね。ありがとう。」
そんなことで、私とMはケイの掃除や夕食の後片づけを手伝い、ケイはそのお気の毒な婦人を受け入れるべく、温かいお茶とクッキーの準備をして、その婦人の到着を待ったのでした。
しばらくすると、Sの車に乗せられ、婦人がやってきました。
何と言ってお慰めしようか・・・そんなことを考えて待っていた私の目の前に現れたのは・・・
およそ南極クルーズ中の旅人とは思えないような、豪華な服とたくさんの宝飾品に身を包み、ばっちりメイクを施したド派手なご婦人でした。
そしてそのいでたちよりも、私達の目を引いたのは、その氷のように冷たい表情・・・。
その様子にすっかり驚いた我々3人でしたが、気を取り直して、まずは婦人に挨拶をしました。
すると、何と言うことでしょう。
婦人はほぼ我々の挨拶を無視するような形で、まずはケイのB&Bの中をじろりと見回し、彼女を連れてきた旅行代理店のSを振り返りこう言ったのです。
「こんな宿に私は泊まれないわ」
「は?」
「こんな宿には泊まれないと言ってるのよ!!」
婦人はいかにもイラついているという雰囲気で大声でそう言い放ったのです。
もう我々3人も、代理店のSも何事が起きてるの?とただただ呆然・・・。
すると婦人、まくし立て始めました。
「ここはB&Bでしょ?私これまでこんな粗末な宿には泊まったことないし、いつも5ツ星とか、当地で一番いいホテルにしか泊まったことないの。
ここにはさすがに5つ星はないと聞いているけど、ここで一番いい宿は@@というホテルだとガイドブックに書いてあるわよね。そこにつれていってちょうだい。」
「でも・・・ご説明したように、今日スタンレー市内の宿で空いているのは、ここだけ・・・しかも、ここも本当は満室で、そちらの・・・そちらの男性の好意で、男性がお部屋を空けてくださったんですよ。」とS。
ここで、スタンレーの宿泊事情をお話しますと、その当時は「ホテル」というカテゴリーの宿が2軒、「ゲストハウスというカテゴリーの宿が1軒、「モーテル」が1軒、「B&B」が3軒ありました。
ケイのところはその「B&B」の中でも一番価格的には安い宿でしたが、「ホテル」のカテゴリーの2軒と比べても、部屋の大きさやインテリア・清潔度・ベッドの快適度はほぼ遜色なしで、違うのは部屋にテレビや電話、バスルームがないなど設備だけの問題。
読者の方々でもイギリスのカントリーサイドで、素敵なB&Bに泊まられた方も多いかと思いますが、ケイのところもそんなイギリスの素敵なB&Bという感じのこぎれいでセンスある宿なのです。
バス・トイレ共同と言っても、わずか2部屋ですから、不便もありません。
そんな事情でしたので、私も大いに婦人の傲慢な態度に憤慨し、「気に入らないなら路上ででも寝れば?」という台詞がのどまででかかったのですが、宿の主人であるケイがキレる前に、私がキレるわけにはいきません。
ケイも非常に気の強い女性なので、何か言うかな・・・と思ったのですが、ケイもかろうじて堪えている様子。
そして婦人は、Sの「他に宿はないのですから」という説得についに折れて、靴を脱いで中に入ってきました。
ケイは婦人の顔も見ずに、「部屋にご案内するわ」と言って、婦人を部屋のある2階へと連れて行きました。
するとまもなく、婦人の甲高い声が聞こえてきました。
小さな建物ですから、声は筒抜けです。
何事かと思い、私も2階へ行ってみました。
すると、婦人の言い分はこうでした。
「部屋に鍵がついていない(→フォークランドの宿は、一部ホテル・ゲストハウスを除けば、部屋の鍵がないところが圧倒的に多いです)」
「狭い廊下を挟んでもう一部屋。こんな粗末なドアで仕切られた所で、こんな至近距離で他の人と空間を共有するなんて耐えられない」
ケイもほぼブチキレモードになっていましたが、それでもかろうじて堪えていて、
「鍵は普段は使うことはまずないけど、鍵がないわけじゃないので、鍵はかかりますよ。鍵はお貸ししますわ。」
「もう1人のゲストって、こちらの方かしら?」
と私の顔を怪訝そうに見つめる婦人。
「ええ・・・私ですけど、何か?」
「あなたどこの東洋人なの?」
は?何故ここで「東洋人」という言葉が出るの?
そもそもこの一連の生意気なもの言いは何よ!?
身体が震えるような怒りはもはや爆発寸前・・・。
このバ●ア・・・く●絞めたろか~~~!!
↑
過激な発言で失礼!!
仏のような心の領域はまだまだ遠い私なのでした(爆)
ということで長くなったので、また次回に(^▽^;)
ちょ・・・・ちょっと~
(;_;)/~~~
全然長くなくてよっ
TABI様。
私は目もいいし・・・
時間もたっぷりあるんだから、
もっと長くても大丈夫♪
心配しないで、ダニーじゃないんだから(爆)
ぬうう!!!!
全部読んでからコメントを入れようと思ったのだけど!!
なにこれなにこれ!!!
爆発しそうですよ、あたいも、PCの前で!!
我慢出来なくてコメントしちゃいました!!
むきーーー
このババ○!!!文句言うなら外で寝ろ!!!
むううう!!
そしてこの青年がどういう対応をするのかも気になります。
TABIさんが一番心に残っている旅人なんて超気になります!
おおー、次回が楽しみっ!
ああっTABIさん、またっっ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
何で「次号待て」なんですか~
待ってます。。。
トムさんへ
(*´Д`)=з
トムしゃん、私なりに頑張ってここまで書いたんですっ。許してっ(笑)
どこかの誰かさんだったら15回くらいに分ける話を、
4回くらいで書こうとしてるんですから(爆)
トムしゃんは若いから目がいいけど、ワシはのう・・・(爆)
ずんこさんへ
え?怒ってくれるんですかっ(≧▽≦)
なんか怒り共有してもらえるだけでウレシス(笑)
でも、今後何かの機会でまた取り上げるかも、ですが、
クルーズ船のお客さんで、この手の方って結構いるみたいですよ。
ずんこさんも世界放浪の旅でクルーズ船に乗ったら注意よっ
Takemaさんへ
Takemaさんの出発前にこの話を完結することが出来るだろうか・・・(笑)
掲示板見たら、状況落ち着いてるみたいですね。
よかったです。お土産話楽しみにしてます。
すまみさんへ
(/ω\)イヤン、許して~(爆)
すまみさんも、このところは天候が不安定なので、
お山は控えてるのでしょうか?
息子さん、マジ見てみたいですぅ~(*^o^*)
イメージだけ膨らんでます(笑)
こんなことがあるのですね。この婦人に怒りがこみ上げてきました。
自分の立場を理解せずに許せませんね!
この後いったいどうなったのでしょうか。。。
待ちきれません。(笑)
やばい!
私も豪華な服とたくさんの宝飾品に身を包み、ばっちりメイクをしなくては!!!!!(笑)
ラオマイさんへ
コメントありがとうございます。
フォークランドでイヤな旅人に会ったのは、後にも先にも、この婦人くらいでしたね。
というか、この婦人、もともとフォークランドを目指してきたのではないので、今でも
「フォークランドに来る人に悪い人なし」とは思っているんですが(*^o^*)
フリッパーちゃんへ
それって・・・もしかして次の船のことを言ってるの?(@ ̄Д ̄@;)
それよか、まずは船酔い対策だなっ(笑)
すごい人が世の中にはいるものだと思ってしまったわ。
多分、どの国でも『常識』としていることは
彼女には通用しないんだろうな・・・・
私、同じ立場にいたら耐えられたか・・・・
まるで昼メロに出てくるような(?)タカビー女ですね~。
みぐるみ剥いだろかっ!-n-;
さてさて、青年はどんな様子でこの状況を見ていたのか
気になるwww!^w^;
たろすけさんへ
ホントに、タカビーな人っているんですね~。
あまりいい年を重ねてこなかったのかな・・・。
若い人なら今後成長して変わる余地ありだけど、あのくらいの年になったら
もう一生あのまんまなんでしょうね。
たろのすけさんの職場でも、この手の人が結構来たりしませんか?
なんか・・・来そう(汗)
シャンティcocoさんへ
私も大人気ない大人なんで(爆)、その場で人目もはばからずキレたろか~という
感じだったのですが(苦笑)
はい。次回青年Mが登場します(^^)/