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August 15th
2010

アラスカが呼んでいる(2)~不世出の登山家たち

カテゴリー: Alaska(United States), My Mother Earth, Weblog

 

ひと月ほど前に「アラスカが呼んでいる」という記事を書きましたが、その後も相変わらず、アラスカ熱に頭が侵されているという感じでした。

 
(マッキンリーではなく、Mt.Wrangell)

昨日までしばらくぶりに実家へ帰省してきたのですが、その時にマッキンリーに散った稀有の登山家山田昇氏のご遺族が、以前父に贈呈してくださった湯飲
み茶碗を見て、またいろいろな思いに包まれました。

 この湯のみ茶碗は、山田氏が登頂した8千メートル峰それぞれで持ち帰った石を砕き、粘土にして作ったもの。遺族の方が何個か作り、父を含む山田氏の登山仲間に贈呈されたのです。

 

その茶碗を見て、ちょっと頭が冷えました。
やっぱり行くなら、衝動的にでなく、アラスカへの思いを何ヶ月も募りに募らせて行きたいなと。

山田昇氏のことは、父の関係で中学時代くらいから、名前を耳にしたり、集まり等でお見かけした記憶がありました。

しかし、氏が8千メートル峰14座完登を目前にしてマッキンリーに散った89年は、私もまだ学生で氏のことを詳しく知らなかったため、訃報に接しても、それまで幼い頃から遊んでくれた他の父の登山仲間のおじさんたちの死と同じく、ちょっと悲しい・・・という以上の感情はありませんでした。

 

しかし、その後社会人になり、父の友人である精鋭の登山家の方々とお会いして、直接言葉を交わすようになってから、そうした方々の訃報を聞き、幼少の頃とは違う感情が生まれてきました。

 

これは父譲りの血がそうさせたのでしょうが、その頃になると私自身も登山ではありませんでしたが、猛烈に辺境に惹かれるようになっていて、偉大な冒険家や探検家に関する本をむさぼるように読み漁るようになっていました。そうして、命を賭しての冒険や登山というものの意味を理解するようになってきたのだと思います。

 

私の取材コーディネーターとしてのキャリアのスタートとなったのが、時任三郎さんがリポーターを務めたヒマラヤでの番組だったのですが、我々がシッキム州で取材を行っているこの時、同じシッキム州のカンチェンジュンガ(エベレスト、K2に続く世界第3位の高峰)では、父の所属する登山協会と、インドチベット国境警備隊(ITBP)の日印合同登山隊が登頂に挑んでいました。

そしてこの遠征は見事成功。日本隊からは名塚秀二氏が、インド隊からはS.D.シャルマ氏が登頂しました。

この年、インドに長期滞在した私は、取材終了後、この登頂成功パーティに出席し、この2人に会いました。2人とも笑顔が魅力的なとても素晴らしい方々でしたが、その後、相次いで山に散ることになったのです。やはり言葉を交わした方々の悲報はショックでした。

 その後、遭難当時は詳しく知らなかった山田昇氏のことも、本や資料などを通じて知ることになり、猛烈に山田昇氏にも魅了されることになったのです。

 

植村直巳氏関係のリサーチで、最初にアラスカを訪れ、マッキンリーを目にした時、あそこに山田昇氏と植村直巳氏という日本の不世出の偉大な登山家・冒険家が眠っているのかと、胸に迫るものがありました。

 

2度目にアラスカを訪れた時はマッキンリーは雲で見えず、3度目、4度目はマッキンリー付近には行きませんでした。5度目になるであろう来年は・・・また以前とは違う思いで、この山を見ることになるかも知れません。

 

次回は、山田昇氏と同じく、私を魅了してやまない植村直巳氏のリサーチを通じて、アラスカで出会った魅力的な極北の地の人たちのことを書いてみたいと思います。

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コメント / トラックバック8件

  1. トム より:

    最近、「山」は流行りですか?!
    昨日もTVで富士登山特集みたいなものを観ました!
    雑誌等の「山ガール」なるものにも凄く興味が(笑)

    とりあえず今日はドイツ用にTHE NOETH FACEで息子と防水ジャケットを買って来ましたよっ
    (何故か息子のジャケットの方がよさげなのですが・・・汗)

    ブログを読ませてもらっていると・・・
    いろいろ行かれているTABIさんの凄さを改めて感じますヽ(^o^)丿

  2. 斎藤美香子 より:

    トムさんへ

    山・・・軽登山はすごく流行っているみたいですね~。

    NORTHでゴアテックスジャケットでも買ってきたのですね。
    NORTHの製品、私も好きで愛用してます。

    いよいよ明日ですね。
    お気をつけて。旅行記も楽しみにしてますね♪

  3. ローラン より:

    それは言葉に表せないほど思い入れの深いお茶碗ですね。
    言葉では言い尽くせない思いがあると思います。

    私は添乗のときにスイスの山に登った登山家のことを調べたり、
    またそれとは別に「植村直巳物語」を観たりしたくらいしか
    登山のことを知らないのですが、山に散った人もそうだけど、
    遺された家族や恋人の気持ちを思うと、本人を知らなくても
    切なくていられなくなります。

    TABIさん、いっぱいお辛い思いもあるのでしょうね。
    アラスカのお話、今後も注目してみていますね!

  4. 斎藤美香子 より:

    ローランさんへ

    貴重な石でお茶碗をお作りになり、氏に関係の深かった人たちに贈呈するなんて、
    ご遺族の方々の想いに感動しました。なかなか出来ることではないと思います。

    著名な登山家の方々は、植村氏も含めスイスの山にも登ってますよね。
    ローランさんも添乗で、グリンデルヴァルドあたりからのハイキングなどに
    同行した経験もあるのでしょうか。

    アラスカは、その名前を頭に思い浮かべたり、口にしただけで、
    不思議と清清しい気持ちに包まれます。

  5. ハチコ より:

    もうずいぶんと前になってしまいましたが、アラスカに行った時の何もかもが美しくて珍しくて楽しくて幸せに感じた気分を思い出しました。
    マッキンリーは最初は雲でまったく見えなかったのですが「あそこに植村直己さんが眠ってるんだなぁ」って感慨深く見ていたら、急に雲がなくなってマッキンリーがくっきりと顔を出してくれました。
    1分ほどでまた雲に隠れてしまったのですが、とても感動的でした。
    アラスカはぜひともまた訪れたい場所なので、来年行かれるご予定のTABIさんが羨ましいです!!

  6. 斎藤美香子 より:

    ハチコさんへ

    ああ・・・

    >アラスカに行った時の何もかもが美しくて珍しくて楽しくて幸せに感じた気分

    ハチコさんの表現、まさしく私のアラスカへの思いそのままですね。
    何を見てもほっこりほんわか暖かく幸せな気持ちになります。

    マッキンリー、見れて良かったですね。雲で見れない確率の方がずっと大きい中で、
    見れるかどうかは、雲が切れるタイミングですものね。
    ホントに体積の大きな大きな山ですよね。

  7. リラックマン より:

    (@^ω^@)ノ気をつけて登ってください。

  8. 斎藤美香子 より:

    リラックマンさんへ

    (@^ω^@)ノまずはお餞別をください。

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  • 斎藤美香子: シャンティcocoさんへ cocoさん、おひさぁ~~(#^.^#)...
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