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May 9th
2011

被災から2ヶ月

カテゴリー: My Life / My Disney, Weblog, 東日本大震災

 

震災から早くも2ヶ月。

年齢を重ねる毎に、時間の経過が年々早く感じられるような気がしていましたが、特にこの2ヶ月は、あっという間に過ぎてしまったという感じでした。

 

震災以来、私も家族も完全に生活のペースが狂ってしまっていました。

両親は原発事故で故郷を追われ、何十年もやってきた農業からある日突然引き離され、見知らぬ土地で避難暮らしに。
私も対処に当たるために、入っていた大型の仕事をキャンセル。
幼子を持つ妹は、放射能の影響を恐れ単身遠くの地へ退避。妹のダンナの仕事も大きな影響を受けました。

 

1ヶ月ほどガス・水道・電気などのライフラインの回復や食料物資の調達に苦労したものの、地震の被害そのものでの不便はあまり感じませんでしたが、やはり何と言っても、原発事故に振り回された2ヶ月でした。毎日がバタバタの中で過ぎていき、自分が制作にかかわった番組も見ることはおろか、その存在すらも忘れてしまうような日々でした。

 

それでも、親戚で津波の犠牲者が出たものの、家族の2親等以内では犠牲者が出なかったのは本当に幸運であったと、落ち着きを取り戻しつつある今、つくづく感じています。友人知人でも津波の犠牲になった方々もいました。我が仙台市でも、また実家のある町でも、多くの方々が津波等で亡くなられました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 

以前の記事にも書きましたとおり、両親が早々と状況に見切りをつけ、新天地で新たな一歩を踏み出そうという決心をしてくれたお陰で、それでも我が家は震災2ヶ月にして、暮らしの展望が見えてきました。

といっても、新天地での出直しのために、本来なら不要であった大きな出費や様々な犠牲を払ってきました。現在の状況を見るに、原発事故に伴う補償金は本当にスズメの涙程度の額しか期待出来ないというのは、間違いなさそうに思われます。

とにかく、補償金を最小限に抑えるために・・・つまり土地の政府買い上げなどをしなくて済む方向で、何とか住民の早期帰宅を進めて行くことと思われます。現在我が故郷の大気中の放射能汚染度は、数値は比較的落ち着いているものの、土壌汚染はかなり深刻なようです。土壌入れ替えや建物洗浄なども大変な作業ですが、それらが果たして十分なレベルで行われるのか、そしてまた、安全が完璧に保証された時点で帰宅を許されるのか、非常に疑問に感じます。

 

結局、中途半端な所で、土壌汚染が不明確な状態で、帰宅を許されることになるのではないかと思います。そうなれば、結局避難期間中のみを対象とした慰謝料しか補償されないでしょう。今回の事故で我が故郷の地価は二束三文・・・というか買ってくれる人もおらず、土地等の財産価値はほぼゼロに等しくなることでしょう。農業を再開しても農産物は売れず、町自体も急速に過疎化が進む・・・そうした将来的な損失に関しては全く補償されないでしょう。また、日本では前例のない今回の事故。将来予測される健康被害についても想像の域でしか評価出来ず、不安な気持ちを抱えての帰郷になることでしょう。

 

ところで、以前の記事へのコメントでも頂いたことで、そしてまた私自身も危惧していたことでしたが、それが現実になっています。私自身もマスメディアに身を置く立場ではありますが、何事においても最近のマスコミの報道は「散々持ち上げておいて、突然突き落とす」というのが基本です。まあ1つの側面での話題が切れたら、新しく話題を作りあげるという手法でしょう。

 

先日、東電社長が謝罪のためにわが町の避難先を訪問した際に、東電社長に土下座を求めた町民の映像がTVに出ました。そしてその直後に「補償金捻出のための電気料金値上げや増税」の話題を持ってきていました。

その結果、「原発避難民は『モンスター被災者』だ。散々原発で潤ってきたくせに」というバッシングの嵐がネットの世界を駆け抜けたようです。

 

私も個人的にはあの土下座については「土下座などさせても何の解決にもならない。せっかく東電の社長と直に会う機会、この機会にきちんと要望を冷静に伝えた方が得なのに・・・。」と、反発を感じました。しかし、その後詳しくその場の状況について聞いてみれば、その謝罪の場ではきちんと論理的な訴え、冷静な形での話をした住民も多く、中には社長をねぎらう言葉をかけた住民もいたとのこと。

でも、そうした「静かな絵」では面白みがない、ということで「格好の絵になるシーン」として選ばれたのがあれだったのでしょうね。その結果、それが「実は散々東電からお金をもらって住民は潤っていた」という一般的な見方と相まって、一部の世論としてバッシングの波を引き起こすことになったのです。

 

確かに原発のあった町では、補助金により町の公共施設が充実していたりというようなこともありましたし、また、原発のなかったわが町でも、将来の原発開発に向けて、漁業関係者に事前補償金が支払われていた(→誘致反対の声を押さえ込むためですね)ことは事実です。

しかしながら、わが町の大部分の住民や、原発のなかった周辺市町村については、原発誘致時には長らく原発反対運動が巻き起こりましたし、原発で潤ってきたことはなく、今回の事故では完全に「貧乏くじをひかされた」結果になりました。

そんなことからも、実際の状況や事情を知らずして、ひとくくりにして無責任なことをネットで発信することに非常に不快感を覚え、そして何より、その引き金となった報道の仕方には、非常に反発を感じます。

 

勿論、こうした報道や世論操作の結果により、本来守られるべき弱者や各種被害者がこれまでもバッシングを受けたり、その犠牲になった著名人や芸能人も多いのでしょうから、今更の話ではないのですが・・・。

 

それでも良識ある世間の大部分の方々は被災地に心を寄せ、心から応援してくださっているというのは、この2ヶ月身に染みて感じてきました。本当に有難いことだと感じています。

 

ちょっと話は逸れますが、日本のマスコミは、こうした良識ある一般人の感覚をバカにしているのか、とも感じます。どんなにセンセーショナルな絵を切り取って、偏向的な報道をしても、それを見抜く視聴者が大部分であると思います。番組にしても然り。かつて日本も良質なドキュメンタリー番組が溢れていた時代がありました。それがいつしか「視聴率が取れないから」と、安く簡単に作れるバラエティばかりのテレビに変わってしまいました。視聴者も近年までは、そんなバラエティを楽しんできた層は少なくなかったと思いますが、中身の薄っぺらい番組内容に失望感を持つ視聴者も、最近はだいぶ増えてきたのではないかと思います。

庶民の感覚をなめているのはマスコミの方で、実は良識ある多くの一般人の方がマスコミに失望し、見下しているという事実に、早く多くのマスコミが気づいて欲しいと思います。勿論、マスコミの中にも良識的な報道をされている方々もいらっしゃいますが、残念ながらそうでないマスコミの方が圧倒的に多いように感じます。

そして、庶民が尊敬の念を持って見つめるような存在に、今の不安定なご時勢をまとめていくような存在に、今こそマスコミが変わる時ではないかと思うのです。

 

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コメント / トラックバック18件

  1. トム より:

    そうですよね~
    まだ考えたらたった2か月ですよね(汗)
    このまま何の問題も解決されないまま、
    どんどん世間の関心がなくなっていくのが怖いですね。
    今でも原発で働かれている方もいらっしゃるし、
    避難所生活を継続されている方もいらっしゃいますもんね~

  2. manchot より:

    他人の不幸でしか、自分の幸せが測れない、愚かな生き物、それが人間なのでしょうか?

    義援金も、「復興の役に立てて欲しい」といいつつ、心の中では「こうやって、お金送って、私っていい人間」と思ってるヤツが、マスコミの言葉に踊らされ、被災者を突き落としてるのかもしれません。

    私は、ほとんど募金はしていません。なぜなら、最後にお金を配分するのは、最も信用できない「国」だからです。

    「国」を通さず「直接」被災者を応援できる形の支援は何か?
    きっともうすぐ、答えが見つかるような気がします。

    あっ最近、マスコミがウザいからニュース番組見てないなぁ・・・・

  3. Uk より:

    いやあ、これは将に気がすっきりするようなご意見です。よっ、さすが部長!(^o^)/
    被災者がイラついていて、政権に不満をぶつけているという構図が欲しいから、こんな映像を流しているのかな?って
    勘繰りたくなるような報道も目立ってきているような気がします。
    東電や政府に怒って噛みついてばかりいる住民しかいない、というイメージが先行してしまうのも怖いですね。

  4. まったくです。ジャーナリストたちはいまだに原発の現場に出向いて取材もしていないのではないでしょうか。
    こうしたマスコミに踊らされる国民も国民ですが・・・。
    でも、どこかにひとにぎりでも、どーにかせにゃならん、このままではいかん!と、本当のジャーナリズムを志している人がいる!・・・と信じたい。>。<

  5. じろ より:

    タビさん

    私は元来疑い深いのかもしれませんwww。あの土下座報道を見て私が真っ先に思ったのは「あの声の主は記者だろう」です。99パーセントの確立でやらせじゃないかと自分勝手に推測しております。

    私も最近の報道(今に限ったことではないのでしょうが)で腹ただしく感じることは多いのですが(報道とは事実を伝えるものでそこに意図的であれなかれ感情を加えるべきではないと思うのです)、それ以上に日本人の大きいものへの流されやすさが悲しいです。

    今、苦しんでいる方、悩まれている方の毎日が少しでも明るい方向にむかっていきますように。

    ディズニーのレポも楽しみにしていまぁ~す。

  6. 斎藤美香子 より:

    トムさんへ

    ホントに今回の被災では、トムさんの食料が役に立ちました。ホントありがとう(涙)。

    でも、あまりに豊かな食材に、すっかりダイエットの習慣もなくなりました(爆)。

    世間の関心が段々薄れていくのは、何事においてもそうなので、仕方ないですけど・・・それでもGWにはかなりのボランティアの方々が集まったというニュースには救われました。

    ホントに2ヶ月にも渡る避難所生活は、どんなにかストレスかと思いますよね(涙)

  7. 斎藤美香子 より:

    manchotさんへ

    そうですね~。残念ながらmanchotさんが書いたような像の人間も、少なからずいますよね。

    義援金は本当に今回国内外からたくさん集まりましたよね。でも「赤十字の第一次支払い分」でさえも、2ヶ月経った今でも、被災者にはあまり届いていないんですよね・・・。実家も対象になってますが、ついこの間漸く申請手続きがあったばかりです。
    一番必要な時に来ないというのも不思議です。

    manchotさん、何かmanchotさんの考える理想的な支援が見つかりそうなのですね。
    いつかその話をまた聞かせてください。

  8. 斎藤美香子 より:

    Ukさんへ

    「さすが部長!」と言われると、なんかすごい感じがするけど、実は「コン部の部長」って(爆・爆)

    そうなんですよね~。やっぱり「絵になる」「視聴率が取れる」ようなセンセーショナルな映像を求めているんですよね。で、そこの部分だけを切り取って、さもそれが大多数の姿や意見であるかのように流す・・・これは世論操作になりますよね。

    「怒って噛み付いてばかりいる住民しかいない」・・・おっしゃる通りの反応がネットを駆け抜けましたよ。「あの町(その土下座発言の住民のいるわが町)にだけは義援金渡すな」とか「福島県民は民度が低い」とか、散々でした。

  9. 斎藤美香子 より:

    シャンティcocoさんへ

    社会的意識の強いcocoさん。cocoさんもマスコミに関しては、いろいろ考えるところがあるでしょうね。

    まあ、確かに踊らされる層も踊らされる層なのですが、さすがに最近は「流される映像をそのままうのみにしない視聴者」も増えてきていると信じたいです。
    そしてまた、cocoさんが言うように良心的なジャーナリストも絶対いる!と信じています。ただ、そうした人たちが「視聴率第一主義」の中で力を発揮できていないのだと思います。

  10. 斎藤美香子 より:

    じろちゃんへ

    あ、じろちゃんもあのニュースを見たのね。
    うん、普段でも「絵になるところ」だけを切り取って、余計な音声を消して、誤解を招くくらい「ほんの一部」の発言だけを流して、さも視聴者に「そういう流れの話しかしなかった」みたいな印象を与えるような報道は、社会ニュースでも、芸能ニュースでもよくあることだよね~~。
    報道の仕方1つで、同じ対象が全く違うものになっちゃう・・・その影響力の怖さをもっと考えて、偏らない、事実に基づいた報道をして欲しいなあと思うよ。

    あ、じろちゃんのこちらの持ち分の手配は完璧でっせ!楽しみ楽しみ。ムフフ・・・♪

  11. くみ より:

    土下座させてるのをテレビで見た時には
    あぁ、まんまとメディアの格好のネタに。。。
    って思いました。まだ2ヶ月。でももう2ヶ月ですよね。
    阪神大震災の時より義援金の分配は大幅に遅れてますし。
    完全復興は長く果てなく思えますけど期間を短くする目的のため
    だけに手を抜いたりしないで政府には被災地にきちんとした
    対応してほしいって思います。心配が尽きないです。

  12. リリス より:

    絵になる部分だけを切り取られると切り落とされた部分を知るのは
    難しいですね。
    見えてない部分も全部繋げばあの「土下座シーン」がどのような状況の中で行われたのか
    知ることも出来るのでしょうけど・・・

    あれから2ヶ月・・・長いような短いような・・・
    私の想像もつかないようなご苦労をされた日々だった事でしょう。
    昨日、電話での被災者の方の話「もう何にも無くなっちゃったから、笑うしかないのよ! わはははは」って。
    泣きつかれるより笑い飛ばされる方が悲しい時もあるのだと初めて知りましたよ。

  13. 斎藤美香子 より:

    くみさんへ

    あっ、くみさんみたいに思ってくれた人が多いといいなあ・・・。

    くみさんのブログで、くみさんが息の長い応援支援をしてくれている様子に、いつも元気付けられます。
    通り一遍の応援支援じゃなく、ホントくみさんオリジナルだもんね。
    ホントにありがとう。

  14. 斎藤美香子 より:

    リリスさんへ

    いつもよくある事件でも、芸能ニュースでも、きっと一部分だけが切り取られて、被写体が誤解されるってことは、よくあるんでしょうね・・・。自分も報道寄りの一元的なものの見方にならないように気をつけよう、と、わが身に降りかかってそう思いました。

    でも、本当に強く復興への道を歩き出している被災者の方々が多く、本当に人間の力って素晴らしいとは思うのですが、その陰では、血の汗、血の涙を流してらっしゃるんですよね。あまりに悲しみや苦しみがつよいと、もう何を口にしていいかもわかんなくて、笑い飛ばすしかない気持ちになっちゃうこともありますよね。

  15. ラオマイ より:

    早いもので震災から2カ月が経つのですね。言葉では言い表せないくらいこちらもショックでした。
    被災された方で、関西方面にも来られているようです。少しお話をお聞きしましたが、
    大変な現実と向き合わなければならず、いたたまれない気持ちになりました。
    政府の対応にもイライラとします。被災者の方々が安心して暮らせる素早い対応をとるべきですね。

  16. 斎藤美香子 より:

    ラオマイさんへ

    ホントに日本国民全体の意識や価値観に、影響を与えるような震災でしたね。
    関西方面に退避している方々も多いようです。人口2万人ちょっとの我が故郷の町民も、北は北海道から南は沖縄までちりぢりになって、未だに退避先や行方がわからない人が4割くらいいるそうです。

    おっしゃるように政府の対応の遅さには、本当にイライラしますよね。
    最近のことでは、一切の出入りを法的に禁じた警戒区域への変更後(4月初旬)すぐに住民の一時帰宅が実施されると聞いていたのが、予定よりも1~2ヶ月遅れての実施となっていることです。警戒区域になる直前に自主的に一時帰宅した時に、近所のつながれた犬たちに餌を大量に与えてきたのですが、「一時帰宅ももうすぐだし、リードをはずしてしまっては飼い主さんと会えなくなるから」と思い、リードをそのままにしてきたのです。
    あれから1ヶ月以上・・・わが町の一時帰宅は6月になってからなので、あの子たちはもう100%餓死してしまうと思い、毎日やりきれないあせりを感じてきました。今となってはリードをはずしてくればよかったのか・・・と暗澹たる気持ちになっています。

  17. むらペン より:

    お久しぶりです。ペンギンスタイルさんからのメルマガを見て飛んできました・・・。本当に大変だったと思います。たいした大きい被害を受けていない私でさえ、まだ立ち直りきれていなく恥ずかしいです。
    何も出来ないですみません。

    マスコミも政府も一人ひとりの気持ちを逆なでするようなことしかしてないのでひどいと思います。もう、視聴者を踊らすのはやめてほしいですね。
    どうしてみんなが前向きに頑張れるような報道や支えが出来ないのかと思います。

  18. 斎藤美香子 より:

    むらペンさんへ

    お久しぶりです。お元気でいらっしゃいますか?
    コメントありがとうございます。しかも、メルマガを見て飛んできてくださったなんて・・・(涙)

    まあ、時間も経ちましたし、ボチボチ元気でやっております。
    最初の頃はマスコミや東電、政府の動向や発言に、怒りや失望を感じることが多かったのですが、最近はよくも悪くも慣れてきたというか…まあ、私もまんまと策略にかかっている一人ですね(笑)。
    少しずつ悪い情報を小出しにして、なんとなくそんな風潮に慣れきった頃に、後だしでどさくさに紛れて後から後から悪い情報を出されても、私たちも感覚が麻痺してしまっているのか、以前のように怒る気力もなくなったというか(笑)。

    これではいけませんね・・・(汗)

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  • 斎藤美香子: シャンティcocoさんへ cocoさん、おひさぁ~~(#^.^#)...
  • シャンティcoco: ふぅ。やっとここに入れた・・・ と思ったら、...
  • 斎藤美香子: ようめさんへ ようめさん、コメントありがとう~~(#^....
  • 斎藤美香子: ダニーへ コメントありがとう。年末風邪ひいた時にビタミ...
  • ダニー: (=^・・^=) 向こうに住んでて、こちらにはたまに仕事で来るんでし ょ?...

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